平成23年3月11日14時46分に宮城県牡鹿半島沖を震源とする国内観測史上最大となるM9.0(暫定値)の巨大地震が発生し,宮城県栗原市で震度7,宮城県,福島県,茨城県,栃木県の4県28市町村で震度6強が観測された。
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名された今回の地震は,東北地方の太平洋沿岸部を中心に壊滅的な被害をもたらした。今回の地震による被害は,地震の揺れによる直接的な被害として建物の崩壊や液状化現象,地盤沈下などが発生し,更に,ライフラインが寸断されるなどの被害も発生した。しかし,それよりも地震に伴い発生した巨大な津波による被害の方が大きく,建築物の損壊だけでなく、多くの死者・行方不明者を出した。
政府は,東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波などにより引き起こされた大規模地震災害の名称を「東日本大震災」とすることを発表し,震災からの早期復旧・復興に向けた様々な取り組みを検討・実施している。
本報では,東日本大震災に関して,各省庁および研究機関などから発表された資料を基に,現時点で判明している東日本大震災の概要について説明する。