接合
 
■ねじのゆるみ防止対策「ハードロックナット」の紹介
〜その2 対策としてのハードロックナット〜
(No.72)
概要

前回の“ねじのゆるみ防止対策 「ハードロックナット」 の紹介〜その1 なぜねじのゆるみが問題か〜”で,ねじのゆるみによる様々な課題やその対策の概要について説明いたしました。

本稿では一般に,ゆるみ止め対策としてよく知られているダブルナットと比較しながら当社ハードロックナットの特徴を説明し,実際に当社製品をお使いいただいている事例を紹介いたします。

 
■ねじのゆるみ防止対策「ハードロックナット」の紹介
〜その1 なぜねじのゆるみが問題か〜
(No.71)
概要

「ねじ」は非常に身近で歴史のある機械要素です。しかし, 未だにねじのゆるみが原因と考えられる事故が発生し, ねじ締結が十分理解されずに使われている可能性を否定できません。昨今の頻繁に発生する自然災害やインフラの老朽化対策を鑑みると, ねじ締結の需要・重要性増加が予想できますが, ねじのゆるみについては決定的な解決策が見いだせないままに対策を行わざるを得ない状態にあります。

当社は, 創業以来約半世紀にわたり「ゆるみ止めナットの開発・製造・販売」を通して「安全・安心を提供し続ける企業」として建築・土木分野のみならず, 産業機械または航空機・船舶・新幹線をはじめとする鉄道設備などにおいて「ねじのゆるみによる事故の防止や点検の省力化」に貢献すべく取り組んできました。

ねじのゆるみと対策について興味を持っていただくことを念頭に, 「ねじがなぜゆるむのか, またゆるみがなぜ事故につながるのか, その対策は」について2回に分けて解説し, お客様のニーズに少しでも貢献できれば幸いです。

今回は, 「なぜねじのゆるみが問題か」について解説し, 最後にねじのゆるみ防止対策としてハードロックナットの簡単な紹介を行います。

 
■摩擦接合面処理剤「ECO−DC」の紹介(No.58)
概要

橋梁や鉄塔には,防食・防錆を目的として,溶融亜鉛めっきを施した鋼材が多く使われています。また,橋梁や鉄塔における鋼材同士の接合方法には,高力ボルトでの摩擦接合が多く用いられています。しかし,溶融亜鉛めっきを施した鋼材同士を高力ボルトで接合する場合,溶融亜鉛めっきを施したままの状態では,摩擦接合面が滑らかなので十分なすべり耐力を得られません。そのため,十分なすべり耐力を得られるように摩擦接合面を粗くする処理が必要となります。1991年に「建築工事標準仕様書 JASS6 鉄骨工事」が改訂される以前は,ブラストによって摩擦接合面の処理を行わなければなりませんでしたが,改訂以降は,作業性がよく,工期が短縮できる摩擦接合面処理剤をめっき面に塗布する方法が用いられることが多くなりました。

この度,当社でも摩擦接合面処理剤「ECO-DC」を開発しました。

摩擦接合面処理剤「ECO-DC」の特長を次に示します。

  • @ 乾燥性がよい
  • A 環境にやさしい
  • B 低コスト

本稿では,この摩擦接合面処理剤「ECO-DC」について紹介します。

 
■高力ボルト接合について(No.53)
概要

現在,建築分野の鋼構造物で高力ボルト接合を採用する場合,JIS B 1186規格の高力ボルトやトルシア形高力ボルトなどを一般的に使用しているが,通信鉄塔のように防錆防食性能の向上を目的として部材に溶融亜鉛めっき処理が施される鋼構造物では,溶融亜鉛めっき高力ボルトを使用している。この溶融亜鉛めっき高力ボルト接合を採用するためには,その法的位置付け,性質および技術的事項について十分理解することが重要である。

本稿では,溶融亜鉛めっき高力ボルトによる接合の法的位置付け,性質および技術的事項について,建築分野で一般的に普及しているJIS規格の高力ボルトやトルシア形高力ボルトによる接合との比較を交えながら説明する。

 
■ボルト締結の機構と締付けトルクについて(No.49)
概要

鋼構造物の接合方法には,普通ボルト接合,リベット接合,高力ボルト接合,溶接接合などがある。鉄塔については,ほとんどの部材が普通ボルト接合または高力ボルト接合により締結されている。

ボルト接合部は応力を伝える非常に重要な箇所であることから,応力を正しく伝達するために,ボルトが弛まないように,また,締め過ぎによる降伏を起こさないように,ボルトを適正なトルクで締付け,ボルトに導入する軸力が規定値になるように施工することが大切である。

本報では,鉄塔で使用されている普通ボルト接合について,ボルト締結の機構と締付けトルクについての概要を紹介する。


■フランジ継手の設計(No.45)
概要
 当技報では送電鉄塔,無線鉄塔を対象とした教本として「設計」,「製作」,「品質」について掲載してきた。
 今回は,鋼管鉄塔の引張接合形式のフランジ継手について述べる。
 フランジ接合には様々な種類があり,形状によって検討方法も異なる。本報ではフランジ継手の代表例を紹介し,耐力の算定方法,設計方法について紹介する。
 なお,当技報のNo.31で「JECに基づき設計される鉄塔の接合部の強度」について掲載しており,接合部の考え方についてはそちらも参照されたい。



■ボルトの緩みについて(No.44)
概要
 鉄塔などの鋼構造物の部材接合は,ボルトによるファスナー接合が主流となっている。
 ボルト接合は,溶接接合に比べて組立施工性は優れているが,緩みが懸念される。
 ボルトは一旦緩むとそれが絞まることはほとんどなく緩みが進行し,やがては,部材からボルトが抜け落ちてしまう。そうして最悪の場合は,構造物としての耐力が低下し倒壊に至ってしまうことも予想される。
 そのようなことにならないために,ボルトの緩みの原因や機構,また,その対策について知っておく必要がある。
 そこで,ボルトの緩みのメカニズム,緩みの種類と原因,緩み止めの種類,合わせてボルト施工時の締め付けトルクの規準について,簡単に紹介する。



■新しい摩擦面処理剤の基礎研究(No.38)
概要
 溶融亜鉛めっき鋼構造物に使用される溶融亜鉛めっき高力ボルト接合部の摩擦面のすべり耐力を確保する方法として,これまで採用されてきたブラスト処理の他に,作業性の良さから薬品による摩擦面処理剤が近年採用されてきている。
 そこで,既製品の処理剤よりも優れた作業性とすべり耐力を確保する安価な処理剤を新たに開発した。
 本論文では,新しい溶融亜鉛めっき高力ボルト接合部用摩擦面処理剤の開発および,すべり耐力試験による検証などの基礎研究について報告する。



■溶融亜鉛めっき高力ボルト接合の設計・施工(No.35)
概要
 鉄塔・煙突等の塔状鋼構造物では,防錆や耐候性向上を目的として,鋼材に溶融亜鉛めっきが施され る場合が多い。このような構造物の接合に高力ボルトを用いる場合,防錆上の観点から高力ボルトも溶 融亜鉛めっきを施す必要があるが,溶融亜鉛めっきを施した高力ボルトのセットはJISの規格になく, 建築基準法や同施行令などに構造計算で用いる許容応力度が示されていない。
 建築基準法施行令によると,JIS B 1186規格品以外の高力ボルトを用いる場合には,JIS規格品と同等 の性能があることの建設大臣(現国土交通大臣)の認定を受けることが必要である。
 めっき鋼材にめっき高力ボルトを組み合わせた高力ボルト摩擦接合に関して,現在,高力ボルトメー カー7社が日本建築センターで評定を受け,「溶融亜鉛めっき高力ボルト接合」とする構造方法として, 大臣の特別な認定を受けている。
 この溶融亜鉛めっき高力ボルト接合部の設計・施工に関し,ボルトの機械的性質,遅れ破壊への影響, めっき付着量確保のためのオーバータップ,導入軸力の方法,摩擦面処理方法および製作・施工管理等 について説明する。



■溶融亜鉛めっき用高力ボルト摩擦接合面処理「OMZP−2」処理について(No.27)
概要
 溶融亜鉛めっきは、その優れた防食性能と、ミニマムメンテナンス性のため鉄塔関係をはじめ多くの 鉄鋼製品に使用されている。しかし、部材どうしを高力ボルト摩擦接合とする場合は、適切な摩擦係数 が得られないため、これまではブラスト処理等物理的な方法による摩擦面処理が行われてきた。
 1991年JASS6の改訂により、ブラスト処理以外の方法も所定の試験に合格すれば、認可されるこ ととなった。そこで開発されたのが化学的な方法で摩擦係数を得ることができる「OMZP-2」処理 である。
 以下に、「OMZP-2」処理の概要について説明する。