溶接


■鉄塔の現場溶接施工方法(No.69)
概要
 近年では,既設鉄塔が台風,地震または水害などの自然災害に被災した場合,送電や通信を中断して鉄塔を建て替えることが難しいケースが増えている。
 また,建設から数十年が経過する鉄塔が多くなってきている。一般に,鉄塔には溶融亜鉛めっきでの防食が施されているが,腐食環境が厳しい地域では,腐食調査の結果,強度に影響を及ぼすような腐食も多く報告されている。
 自然災害で損傷した鉄塔材および強度に影響するほど腐食した鉄塔材への対策は緊急性が高く,短期間での復旧が必要であるため,部材の交換よりも現場溶接を用いた補修方法の採用が増えてきている。
 そこで,今回は,現地で実施される鉄塔の現場溶接について,標準的な施工方法を紹介する。



■溶融亜鉛めっき材の溶接について(No.34)
概要
 弊社で製作する鋼材には,基礎材等の一部を除いて防錆処理として溶融亜鉛めっきを施している。
 また薄板では,表面処理(溶融亜鉛めっき)鋼板も使用されている。
 これら“溶融亜鉛めっき”を行った部材に「めっき後溶接」が必要となる場合があり,現状は以下の 方法で処理している。
 1)めっき前にめっき後溶接が分っている場合
  (大型構造物で,めっき槽に入らないため2分割する場合および現場溶接部等)
  溶接部および周辺に不めっき剤塗布→ めっき→ 素地調整→ 溶接→ 防錆処理
 2)めっき後に溶接が必要となった場合(変更,補修等)
  @溶接部および周辺のめっき除去→ 溶接→ 防錆処理
  (グラインダーで研削またはガス炎で溶解)
  Aめっきを剥離→ 溶接→ 再めっき
  (剥離槽に浸漬)
 B再製作

 これらの方法は“めっきを除去しないと溶接できない”ということが前提になっている。
 一方,近年,溶融亜鉛めっき用の溶接材料が開発,市販されている。
 そこで,現在市販されている各種めっき用溶接材料を比較検討して,試行段階に入ったので紹介する。



■溶接について(下)(No.18)
概要
 前号に続いて、溶接について、以下の順で、施工、検査および補修を説明します。
4.施工
 4-1 工程
 4-2 施工に影響する要因
5.検査
 5-1 外観検査
 5-2 UT
 5-3 RT
 5-4 MT
6.補修
 6-1 補修となる例
 6-2 記録



■溶接について(上)(No.17)
概要
 鉄塔の製造において、溶接は重要な加工プロセスです。アングル鉄塔の場合、腕金材の切曲げ溶接や基 礎材に用いられ、鋼管鉄塔(パイプ鉄塔)の場合、あらゆる部分に溶接が用いられています。ところが、 溶接は、数秒の問に材料が溶融・凝固するという動的現象であり、材料(母材と溶接材料)、方法(溶接 方法と手順)、人(溶接作業者や前後工程の作業者)に依存するため、自動化や管理の難しい作業となっ ています。
 この稿では、上/下2回に分けて、鉄塔製造における溶接について、最近のトピックスをまじえて紹介 します。
 今回(上)は、溶接の一般論から、鉄塔製造で用いる溶接方法などを説明します。
 次回(下)は、具体的な施行方法や検査、補修について説明します。